名盤: The Soul Sessions/Joss Stone

今日はジョス・ストーンの「ザ・ソウル・セッションズ」について紹介します。アーティストとしても彼女が大好きですが、デビューカバーアルバムであるこの作品は、特に私にとって鮮烈な印象があり、リリースから10年経った今も、どこへでも連れて行きたくなる一枚です。

録音時には弱冠16歳だった彼女ですが、カバーしているのは酸いも甘いも噛み分けた様な大人が歌う様なシブい曲ばかり。けれど良い意味で若々しさを感じないその歌声は幼く聞こえることなどなく、噛んでも噛んでも味が出るような深みがあります。そう、このアルバムで何よりも味わって欲しいのは、彼女の声、なのです。クセは強くないのに味わいがある、声質と歌い回し。一度出会えば、あなたもクセになることでしょう。

私が彼女とそう変わらない歳のせいもあってか、このアルバムの全ての曲の原曲を私は知りません。「フェル・イン・ラブ・ウィズ・ア・ボーイ」として収録されているホワイトストライプスの「フェル・イン・ラブ・ウィズ・ア・ガール」すら、私は知りませんでした。なので、私はこのアルバムを全く新しい、カバーでないアルバムとして出会いました。しかし、どの曲も耳に馴染む曲ばかりです。初めて聴く曲ばかりなのに、聞き覚えのある様なメロディー。それは、彼女の声があってこそ、再び新たな魅力を得ているのではないかと思います。

いくつか楽曲をピックアップすると、まずは冒頭曲の「ザ・チョーキング・カインド」。甘く哀愁を帯びたバラードで、一曲目からノックアウトされる人も多いはずです。ひなびたバーの片隅で歌を聴いているかの様な情景に、一気に引き込まれます。

二曲目の「スーパー・デューパー・ラブ」は、このアルバムで唯一と言っていい、ポップでハッピーな曲。踊りだしたくなる一曲です。

三曲目は「フェル・イン・ウィズ・ア・ボーイ」。私が彼女の歌と出会ったのはこの曲だったのですが、シンプルながらしっかりと曲を締めてくるドラムと、静かにメロディアスにうごめくベース、だらしなくエロティックなギターの上にジョスの声が重なる、病みつきになる一曲。

そして今度はピアノの響くアダルトな四曲目「ビクティム・オブ・ア・フーリッシュ・ハート」。こちらはビターで落ち着いた、ボーカルの映える曲。

たまたま最初の四曲にご紹介が集中しましたが、この四曲こそが、このアルバムを象徴していると思います。この四曲のどれかをちょっとでも聴いてイイ!、と思ったら、このアルバムがあなたの長い友達になること間違いなしです。是非、とりあえず一聴してみて下さい。