グレース/ジェフ・バックリィ

ジェフ・バックリィは、これまで聞いてきた音楽で、最も美しく深く澄んだ歌声を持つシンガーだと思います。90年代半ばに突如現れ、各方面でその「奇跡の歌声」が話題となり、ロックング・オンやクロスビートなど、ロック系音楽雑誌を賑わせていました。

1960年代に活躍したシンガーソングライター、ティム・バックリィの息子としても知られ、その才能は、ジミー・ペイジなど大御所のミュージシャンからも絶賛を集めていました。特に、ジミー・ペイジはジェフ・バックリィ自身も大ファンであり、二人が邂逅が実現した折りには、お互い涙を流して喜んだというエピソードが残っているほど。事実、ジェフが多大なる影響を受けたミュージシャンとして、ジミー・ペイジがいたレッド・ツェッペリンをあげています。

音源として本人名義で制作されたオリジナルアルバムは1994年の本作たった1枚だけ。その後1997年に、30歳の若さで急逝、惜しまれつつもその歌声は伝説となりました。タイトル曲のGrace、レナード・コーエンのHallelujahなど、全編に渡り、声量豊かな美しく神がかったジェフのボーカルが冴え渡る楽曲ばかり、また、卓越したテクニックを持つ彼のギターを堪能することができます。

没後に、トリビュートアルバムや、新たに明らかになったボブ・ディランやモリッシーのザ・スミスなどのカバーを含む未公開曲を収録した音源も発売されていますが、なんと言ってもこのGraceが彼の最高の歌声を聞くのには最高と思います。