「親愛なる君へ」柴田淳(2008年)

私が今日紹介するCDは、柴田淳さんの「親愛なる君へ」です。柴田淳さんというと、昼ドラで主題歌になった紅蓮の月や声に魅了される月光浴などが思いだされるかもしれません。
柴田淳さんの作る曲には、そのほとんどに実在する男女の人間関係が題材になっていると本人が語っていた通り、歌詞の端々に感じられる気がします。
特に、当CDの6曲目の「君へ」は、主人公が余命幾ばくもない状況において、空を見上げるところから始まり、これまでの困難と寄り添ってくれた彼女への感謝と、先に逝ってしまうことの切なさと残された彼女に対する思いやりが述べられています。
聞き終わるころには、自分でも気付かないほどに号泣しています。
歌詞と柴田淳さんの声と曲が一体となって、まるで映画を目の前で見ているかのような臨場感のある演出された世界が広がります。
かと思えば、2曲目の椿のように力強く、潔い椿を彼女に見立てて、その花を愛でるように歌い上げるのです。
柴田淳さんの曲には、僕という視点で曲が書かれていることが多いような気がしますが、これはおそらく自身が女性であることから違う視点での見方や歌い方を採ることによって、より一層その人間関係や背景が鮮明になる効果があるのではないかと思います。
どちらかというと暗い曲というかネガティブな感じが多いですが、1曲目のカラフルは割と気持ち的にも曲調的にも明るめの曲になっているので、全体的なバランスが取れていると思います。
有名な曲があまり入っていない分、先入観なく楽しめるアルバムです。